
院長:鐵川お気軽にご相談ください!


最近、顔の片側にビリッと電気が走るような痛みが出てきて「なにか悪い病気かな」と心配になっていませんか。家族が「顔がズキッと痛い」と言い出して、慌ててスマホで原因を調べている方もいるかもしれません。もし今まさに三叉神経のトラブルを疑っているなら、まずは症状の特徴と受診の目安を知ることから一緒に整理していきましょう。


この記事では、三叉神経痛かどうかを見極めるヒントや、病院選びの考え方をまとめています。不安な気持ちを少しでも減らす材料になればうれしいです!
まずは、三叉(さんさ)神経痛という名前の意味からお話しします。三叉神経は、顔の感覚を脳に伝えるとても大事な神経で、おでこ周り、頬や鼻、あごや口元など、顔の広い範囲を担当しています。左右それぞれに1本ずつあり、日常生活の中で「冷たい」「温かい」「触れられた」などの感覚を教えてくれています。
三叉神経痛とは、この神経が何らかの理由で過敏になり、通常なら痛みを感じない程度の刺激にも、電撃のような強烈な痛みで反応してしまう状態のことを指します。多くの場合、痛みは顔の片側に限局していて、右だけ、または左だけに出るのが特徴的です。発作のように突然ビリッと強い痛みが走り、数秒から数十秒でおさまるものの、1日に何度も繰り返されることがあります。
この痛みは「ズキズキと鈍く続く痛み」というより、「針で刺されたような」「電気ショックのような」一瞬の激痛として表現されることが多いです。発作の合間にはほとんど痛みがないこともあり、「さっきまであんなに痛かったのに、今は何ともない」というギャップに戸惑う方も少なくありません。それでも、次に来る痛みを常に予期してしまうため、精神的な負担はとても大きくなります。
では、初期の段階でどのようなサインが出やすいのでしょうか。初めのうちは、「一瞬ピキッと来たけれど、あまり気にしなかった」という程度の違和感から始まることもあります。しかし、日が経つにつれ、次のような特徴が目立ってくることが多いです。
まず、痛みの出る場所がある程度決まっていることが多いです。例えば、頬の一部、上の歯のあたり、あごのライン、目の下など、毎回同じエリアに鋭い痛みが走るパターンがよく見られます。そして、その部分を軽く触れただけで痛みが誘発されてしまう「トリガーポイント」が存在することもあります。
また、痛みを引き起こすきっかけになる日常動作があるのも特徴です。顔を洗う、歯を磨く、髭を剃る、メイクをする、食事で口を動かす、会話で口を大きく開ける、冷たい風が頬に当たるなど、ごく当たり前の行動が発作のスイッチになってしまうことがあります。そのため、「また痛くなったらどうしよう」と不安になり、動作そのものを避けてしまう方もいます。
初期の段階で痛みの回数はまだ少なくても、徐々に頻度が増えたり、痛みの強さが増していったりするケースもあります。中には、発作が怖くて食事量が減ってしまったり、人と話すのを避けてしまったりする方もいます。早いタイミングで状態を確認し、必要な対策につなげていくことが大切です。
強い顔の痛みがあっても、「そのうち良くなるかもしれない」「忙しいから病院に行く時間がない」と様子を見続けてしまうこともあると思います。しかし、三叉神経痛が疑われる症状を長く放置することには、いくつかのリスクがあります。
強い痛みが繰り返されると、神経の興奮状態が続き、だんだんと「痛みの回路」が脳に刻み込まれてしまうことがあります。そうなると、もとは短い発作だったものが、痛みの余韻が長く残るようになったり、少しの刺激でも過剰に反応するようになってしまうことがあります。
食事や睡眠、仕事、家事など、日常生活全体への影響が大きくなっていきます。食事量が減れば体力が落ち、体力が落ちると痛みへの抵抗力も下がってしまいます。眠れない夜が続くことで、気分の落ち込みや不安感が強くなり、痛みとメンタルの両面で追い込まれてしまう方もいます。
三つ目として、三叉神経痛に似た別の病気が隠れている可能性を見逃してしまう危険も考えられます。実際には腫瘍や炎症、血管の異常などが背景にあるケースもあるため、「これはただの神経痛だから」と自己判断してしまうのは避けたいところです。早い段階で原因を確認しておくことが、将来の不安を減らすうえでも、とても重要になってきます。
もちろん、最終的な診断は医師が行うものですが、自分や家族の症状が三叉神経痛に近いのかどうか、目安を知っておきたいですよね。ここでご紹介するセルフチェックはあくまで参考ですが、受診のきっかけにしていただけたらと思います。
以下に当てはまる場合は、別の病気の可能性も考えられるため注意が必要です。
顔のジンジンとしたしびれが「持続」している、顔全体がだるく痛む、広い範囲が重くつらい感じが続く、発熱がある、顔に発疹や水ぶくれが出ている。
顔の痛みと一言でいっても、その原因はさまざまです。三叉神経痛と間違われやすい、あるいは逆に三叉神経痛と勘違いしやすい病気もいくつかあります。ここでは代表的なものを挙げておきますので、「自分はどれに近そうかな」とイメージするヒントにしてみてください。
まずよくあるのが、歯や歯ぐきのトラブルによる痛みです。虫歯、歯髄炎、歯周病、親知らず、歯根の炎症などがあると、頬やあごのあたりに強い痛みを感じることがあります。噛んだときに痛みが増す、冷たいものや熱いものがしみる、歯ぐきが腫れているなどのサインがあれば、歯科の病気をまず疑います。
次に、帯状疱疹関連の痛みも似たエリアに出ることがあります。顔の片側にピリピリとした痛みや違和感があり、数日後に同じ場所に小さな水ぶくれや赤い発疹が出てきた場合は、ウイルスの影響による帯状疱疹の可能性があります。この場合、皮膚の変化が大きな手がかりになるため、皮膚の状態もあわせてチェックすることが大切です。
また、副鼻腔炎や耳の病気などが原因で、顔周りに鈍い痛みや圧迫感が出ることもあります。さらに、顎関節症によって、あごの周りや耳の前あたりに痛みが出たり、口を開けづらくなったりするケースもあります。こうした病気は、痛みの性質や持続時間、付随する症状によって、三叉神経痛とは少し違った特徴を持っています。
もう一つ忘れてはいけないのが、脳の中に何らかの病変があるケースです。頻度としては多くないものの、腫瘍や血管の異常、炎症などが神経を圧迫していることで顔の痛みが出ることがあります。このような背景を見逃さないためにも、「ただの神経痛」と思い込まず、必要な検査を受けておくことが大切なのです。
「病院に行った方が良さそうなのは分かったけれど、総合病院と近所のクリニック、どちらに行くのが良いの?」と迷う方も多いと思います。それぞれにメリットと注意点があるので、ここで整理しておきましょう。
総合病院や大学病院などの大きな医療機関は、MRIやCTなどの高度な機器が揃っており、脳や血管の状態を詳しく調べやすいという利点があります。また、脳神経外科や脳神経内科などの専門科があり、三叉神経痛を含む顔の痛みを多く診ている医師が在籍している可能性も高いです。ただ、その分予約が取りにくかったり、待ち時間が長かったり、紹介状が必要な場合があったりする点には注意が必要です。
一方で、地域のクリニックや小さな病院は、通いやすさや気軽さという面で大きなメリットがあります。かかりつけの内科や頭痛外来などで症状を伝え、必要に応じて適切な専門科への紹介状を書いてもらう流れもよくあります。初めから大病院に行くのは不安という方は、まず信頼できる身近な医師に相談してみるのも一つの方法です。
選ぶ際の目安としては、「顔の片側の激しい痛みが続いている」「歯や耳の病気が否定されている」「生活に支障が出るほど痛みが強い」といった条件が揃っている場合は、早めに脳神経の専門科がある医療機関に相談することを考えてみてください。まだ症状が軽く、回数も少ない段階であれば、まずは近くのクリニックで相談し、そこでの判断を踏まえて次の一歩を決めていくのも良いでしょう。
どちらを選ぶにしても、受診の際には「どこが」「いつから」「どんなきっかけで」「どのくらいの頻度で」痛むのかをメモして持っていくと、医師に状況を伝えやすくなります。顔の痛みは言葉で説明するのが難しい症状だからこそ、普段から少し意識してメモを残しておくことが、早期の見立てにつながる大事な手がかりになります。
実際に受診した場合、どのような検査を受けることになるのかも気になるところですよね。検査内容は症状や年齢、全身状態によって変わりますが、大まかな流れを知っておくと、少し安心して診察に臨めると思います。
まず最初に行われるのが、問診と診察です。痛みが出ている場所、痛みの性質、きっかけになる動作、持続時間、頻度、普段飲んでいる薬、持病などについて詳しく聞かれます。そのうえで、顔面の感覚や筋力、反射などを確認する神経学的な診察が行われることが多いです。
次に検討されるのが画像検査です。三叉神経やその周りの血管、脳の状態を確認するために、MRI検査が提案されることが多くなっています。MRIは、強い磁力と電波を使って体の内部を断面画像として映し出す検査で、血管と神経の位置関係を詳しく見ることができます。また、場合によってはCT検査や血液検査などが追加されることもあります。
こうした検査によって、「神経が血管に圧迫されていないか」「腫瘍などの占拠性病変がないか」「炎症やその他の異常が隠れていないか」といった点を確認していきます。検査結果を元に、薬物療法を中心に進めるのか、痛みの専門外来を併用するのか、さらに詳しい検査や治療を検討するのかなど、大まかな方針が決まっていきます。
顔の片側に走る突然の激痛は、それだけでとても怖く、日常生活にも大きな影響を与えます。自分や家族にそんな症状が出たとき、「この痛みはいったい何なのか」「どこに相談したらいいのか」と不安でいっぱいになってしまいますよね。でも、その不安を一人で抱え込んだまま我慢し続ける必要はありません。
三叉神経痛は、適切な検査と診断を受けることで、原因や背景をかなりのところまで明らかにできる病気です。そのうえで、お薬やブロック注射、場合によっては手術など、いくつかの治療の選択肢が検討されます。どの方法を選ぶかは、人それぞれの生活スタイルや価値観によって変わりますが、「今の状態をきちんと知る」という第一歩は誰にとっても共通です。
この記事でお伝えしてきたセルフチェックや病院選びの考え方が、「とりあえず一度相談してみようかな」と感じるきっかけになればうれしいです。顔の痛みは自分にしか分からないつらさだからこそ、早い段階で専門家の力を借りて、これからの生活の見通しを一緒に立てていくことが大切です。
不安なことや心配なことがあれば、「こんなこと聞いてもいいのかな」と遠慮せず、医療機関でそのまま伝えてみてください。あなたや大切な家族が、少しでも安心して日々を過ごせるように、この情報がお役に立てたら幸いです。つらい顔の痛みを、一人で抱え込まないでくださいね。
三叉神経痛に対する治療方針の症状ページもお読みください。

